2025年5月と7月の2回にわたって開催されたCIO Japan Summit 2025 が閉幕しました。
今年のサミットでは、製造業から小売業、官公庁まで幅広い業界のリーダーが集い、DXや情報セキュリティ、人材戦略など、企業の競争力を左右するテーマが熱く議論されました。
本記事では、このサミットでどのような企業が登壇し、どんなテーマに関心が集まったのか、さらに各業界で進むDXの取り組みやCIO像について整理します。
CIO Japan Summitとは?
CIO Japan Summit は、マーカス・エバンズ・イベント・ジャパン・リミテッドが主催する、完全招待制のビジネスサミット です。日本の情報システム部門を統括するCIOや情報システム責任者、そして最先端のソリューション提供企業が一堂に会し、「課題解決に向けて役立つ意見交換」を目的に構成されたイベントです 。
フォーマットの特徴
講演・パネルディスカッション
1対1ミーティング(1to1)
ネットワーキングセッション
展示会のようなブース型のプレゼンではなく、深い対話とインサイトの共有を重視する構成となっており、参加者同士が腰を据えて議論できるのが特徴です。
今年(2025年)の主要議題
以下に、『第20回 CIO Japan Summit 2025』(2025年7月17~18日開催)で掲げられた主要な議題をまとめます。
デジタルとビジネスの共存
CIOが経営視点を持ち、デジタル技術を企業価値に結び付けることが求められています。
攻めと守りの両立
DXを推進しながらも、不正やリスクに対する防御を強化する、バランスの取れた経営体制が課題です。
国際情勢とサイバーリスクの理解
サイバー攻撃は国境を越える脅威にもなるため、グローバル視点で防衛体制を強化する必要があります。
各国のテクノロジー施策と影響
常に変化するデジタル技術の潮流を把握し、自社戦略に取り込む姿勢が重要です。
多様性を活かすIT人材マネジメント
IT人材確保の難しさに対応するため、社内外の多様な人材を効果的に活用する取り組みが注目されました。
未来を見通すデータドリブン経営
データを戦略的資産として活用し、不確実な未来を予測しながら経営判断につなげる姿勢が重要です。
登壇企業と業界一覧
今回のCIO Japan Summit 2025には、製造業、建設業、流通業、化学業界、小売業、通信インフラ、官公庁、非営利団体、ITサービスなど、非常に幅広い分野から登壇者が集まりました。
業界 企業・組織 製造業 荏原製作所、積水化学工業、日本化薬、古野電気 建設業 竹中工務店 流通業 大塚倉庫 化学業界 花王 小売業/消費財 アルペン、アサヒグループジャパン、日本ケロッグ 通信インフラ 西日本電信電話(NTT西日本) 官公庁 経済産業省 非営利/研究機関 国立情報学研究所、日本ハッカー協会、IIBA日本支部、CeFIL、NPO CIO Lounge IT/サービス企業 スマートガバナンス、JAPAN CLOUD
それぞれの業界は異なる市場環境や課題を抱えていますが、「DXの推進」「セキュリティ強化」「人材戦略」という共通のテーマのもと、互いの知見を持ち寄ることで多角的な議論が行われました。
製造業からは、荏原製作所、積水化学工業、日本化薬、古野電気 といった企業が登壇し、IoTやAIを活用した生産性向上や品質管理の高度化について共有しました。
建設業からは竹中工務店 が参加し、BIM/CIMや現場デジタル化による業務効率化、労働力不足への対応などが話題となりました。
流通業の大塚倉庫 は、物流需要の変化に対応するためのロボティクス導入や需要予測の高度化について発表。
化学業界から登壇した花王 は、研究開発から製造・販売までのバリューチェーン全体でのDX推進事例を紹介しました。
小売業・消費財分野では、アルペン、アサヒグループジャパン、日本ケロッグ が参加し、顧客データ分析やECと店舗の統合戦略、パーソナライズ施策などが議論されました。
通信インフラの代表として西日本電信電話(NTT西日本) が登壇し、社会基盤を支える立場からのセキュリティ戦略や地域連携の取り組みを共有。
官公庁では経済産業省 が、国としてのデジタル化推進政策や人材育成施策について発表し、民間企業との協働の可能性に言及しました。
さらに、国立情報学研究所、日本ハッカー協会、IIBA日本支部、CeFIL、NPO CIO Lounge といった非営利団体・研究機関が加わり、最新のセキュリティ研究、国際的な技術潮流、IT人材育成の重要性が議論されました。
また、ITサービスやガバナンス支援を行うスマートガバナンス や、クラウドビジネス支援のJAPAN CLOUD といった企業も参加し、民間ソリューションの観点からCIOへの提案が行われました。
このように、CIO Japan Summitは業界の垣根を超えた交流の場であり、参加者同士が自社の枠を越えて課題や解決策を議論することで、新たな連携や発想が生まれる土壌となっています。
議論・関心が集中したテーマ
CIO Japan Summit 2025では、多様な業界・立場の参加者が集まったことで、議題は幅広く展開しましたが、特に議論が白熱し、多くの関心を集めたテーマは以下の3つに集約されます。
1. DX推進とその経営インパクト
DX(デジタルトランスフォーメーション)は単なるIT導入にとどまらず、ビジネスモデルや企業文化の変革 を伴うものとして捉えられています。
製造業ではIoTやAIによる生産最適化、小売業では顧客データ活用によるパーソナライズ戦略、建設業ではBIM/CIMによる業務効率化など、業界ごとの具体的事例が共有されました。
特に今年は生成AIの活用 が大きな話題で、業務効率化だけでなく、新たな価値創造や意思決定支援への応用可能性が議論の中心となりました。
参加者からは「技術の採用スピードをどう経営戦略に組み込むか」という課題意識が多く聞かれ、DXが企業全体の競争力に直結することが改めて認識されました。
2. 情報セキュリティリスクへの対応
DX推進の加速に伴い、サイバーセキュリティの重要性も増しています。
ランサムウェアや標的型攻撃といった外部脅威だけでなく、内部不正やサプライチェーンを経由した侵入など、複合的かつ高度化する脅威 への対応が共通課題として浮上しました。
通信インフラや官公庁の登壇者からは、国際情勢の変化が国内企業にも直接的な影響を及ぼす 現実が語られ、ゼロトラストアーキテクチャや多層防御の必要性が強調されました。
また、経営層がセキュリティ投資の意思決定を行う上で、リスクの可視化とROIの説明 が不可欠であるという点でも意見が一致しました。
3. 人材マネジメントと組織変革
IT人材の確保と育成は、多くの企業にとって喫緊の課題です。
特にCIOの視点からは、「単に人を採用する」だけでなく、**既存人材のスキル再教育(リスキリング)**や、部門横断の協働文化の醸成が不可欠であるとされました。
多様な人材を活かす組織設計、外部パートナーやスタートアップとの連携、海外拠点との一体運営など、柔軟で開かれた組織構造 が求められているという共通認識が形成されました。
また、人材戦略はDXやセキュリティ戦略と密接に結び付いており、「人が変わらなければ組織も変わらない」という強いメッセージが繰り返し発せられました。
これら3つのテーマは独立して存在するわけではなく、DX推進はセキュリティと人材戦略の基盤の上に成り立つ という構造が明確になりました。
サミットを通じて、多くのCIOが「技術視点」だけでなく「経営視点」からこれらを統合的にマネジメントする必要性を再認識したことが、今年の大きな成果といえるでしょう。
業界別に見るDXの取り組み
CIO Japan Summit 2025に登壇した企業や、その業界の動向を踏まえると、DXは単なるシステム刷新ではなく、業務プロセス・顧客体験・組織構造の根本的変革 として進められています。以下では、主要5業界のDX事例と、その背景にある課題や狙いをまとめます。
1. 製造業(荏原製作所、積水化学工業、日本化薬、古野電気 など)
背景・課題
グローバル競争の激化とコスト圧力
熟練技術者の高齢化や技能継承の難しさ
品質の安定確保と生産効率の両立
主なDX事例
IoTによる設備予知保全 工場設備に多数のセンサーを設置し、稼働状況や温度・振動データをリアルタイムで監視。異常の兆候をAIが検知し、計画的なメンテナンスを実施。
AIによる品質検査 高精度カメラと画像認識AIを活用し、人の目では見逃す可能性のある微細な欠陥を検出。検査時間を短縮しつつ不良率を低減。
デジタルツインによる生産シミュレーション 現場のラインを仮想空間で再現し、生産計画の事前検証や工程改善を実施。試作回数を削減し、歩留まりを向上。
成果
設備の稼働率向上(ダウンタイム削減)
品質クレーム件数の減少
開発から量産までの期間短縮
2. 建設業(竹中工務店 など)
背景・課題
慢性的な労働力不足
工期短縮とコスト削減の両立
安全管理の高度化
主なDX事例
BIM/CIM統合設計 建築・土木プロジェクトで3Dモデルを用い、設計から施工、維持管理まで情報を一元化。設計ミスや工事後の手戻りを大幅削減。
ドローン測量 高精度測量用ドローンで現場全体を短時間でスキャン。測量データは即時クラウド共有され、設計部門や発注者ともリアルタイムで連携。
現場管理のクラウド化 タブレット端末で工程・品質・安全情報を入力し、関係者間で即時共有。紙の書類や口頭伝達の削減による業務効率化を実現。
成果
測量作業時間の70%以上短縮
設計変更による追加コスト削減
現場の安全事故発生率低下
3. 流通業(大塚倉庫 など)
背景・課題
EC拡大による物流需要の増加
配送の小口化と短納期化
燃料費や人件費の高騰
主なDX事例
倉庫ロボティクス 自動搬送ロボット(AGV/AMR)を導入し、ピッキング作業や搬送作業を自動化。人手不足を補い作業負担を軽減。
AI需要予測 過去の出荷データや季節要因、天候、キャンペーン情報などを学習し、在庫配置や配送計画を最適化。
配送ルート最適化 AIがリアルタイム交通情報を基に最適ルートを計算。配送遅延を防ぎ、燃料コストを削減。
成果
在庫回転率の改善
ピッキング作業時間の短縮
配送遅延件数の減少
4. 化学業界(花王、日本化薬 など)
背景・課題
原材料価格高騰や環境規制への対応
高度な品質要求と安全基準の順守
研究開発の迅速化
主なDX事例
分子シミュレーションによる新素材開発 AIとスーパーコンピュータを活用し、化合物の性質を事前予測。実験回数を減らし開発期間を短縮。
製造ラインのIoT監視 温度・圧力・流量をリアルタイム監視し、異常時には自動でラインを停止。品質不良や事故を防止。
サプライチェーン可視化 原料調達から出荷までの全工程をデジタル化し、トレーサビリティとリスク管理を強化。
成果
新製品の市場投入スピード向上
不良率低下によるコスト削減
調達リスクへの迅速対応
5. 小売業(アルペン、アサヒグループジャパン、日本ケロッグ など)
背景・課題
消費者ニーズの多様化と購買行動のデジタルシフト
実店舗とECの統合戦略の必要性
在庫ロスの削減
主なDX事例
顧客データ統合とパーソナライズ施策 店舗とオンラインの購買履歴、アプリ利用履歴を統合し、個別に最適化したプロモーションを実施。
ECと店舗在庫のリアルタイム連携 オンラインで在庫確認し店舗受け取りが可能な仕組みを構築。販売機会損失を防止。
需要予測型自動発注 AIによる売上予測を基に発注量を自動調整し、欠品や過剰在庫を回避。
成果
顧客満足度とリピート率の向上
在庫ロス削減
売上機会損失の防止
これらの事例を見ると、リアルタイム性とデータ活用 が全業界共通のDX成功要因であることがわかります。
一方で、製造・化学業界では「工程最適化」、建設業では「現場の可視化」、流通業では「物流効率化」、小売業では「顧客体験の向上」と、それぞれの業界特有の目的とアプローチが存在します。
情報セキュリティのリスクと対策
DX推進の加速に伴い、企業の情報セキュリティリスクはますます複雑化・高度化しています。
CIO Japan Summit 2025でも、セキュリティはDXと同等に経営課題として捉えるべき領域 として議論されました。単にIT部門の技術的課題ではなく、企業全体の存続や信頼性に直結するテーマです。
主なセキュリティリスク
外部からの高度化した攻撃
ランサムウェア :重要データを暗号化し、復号と引き換えに金銭を要求。近年は二重・三重脅迫型が増加。
ゼロデイ攻撃 :未修正の脆弱性を狙い、検知が難しい。
サプライチェーン攻撃 :取引先や委託先のシステムを経由して侵入。
内部不正と人的要因
権限の濫用や情報の持ち出し。
セキュリティ教育不足によるフィッシング詐欺やマルウェア感染。
人的ミス(誤送信、設定ミスなど)。
国際情勢に起因するリスク
国家レベルのサイバー攻撃や情報戦。
海外拠点・クラウドサービス利用時の法規制・データ主権問題。
地政学的緊張による標的型攻撃の増加。
CIO視点で求められる対策
サミットで共有された議論では、セキュリティ対策は「技術的防御」「組織的対応」「人的対策」の三位一体 で進める必要があるとされました。
技術的防御
ゼロトラストアーキテクチャ の導入(「信頼しない」を前提に常時検証)。
多層防御(ファイアウォール、EDR、NDR、暗号化など)。
脆弱性管理と迅速なパッチ適用。
ログ監視とリアルタイム分析による早期検知。
組織的対応
インシデント対応計画(IRP) の策定と定期的な演習。
サプライチェーン全体のセキュリティ評価と契約管理。
リスクマネジメント委員会など、経営層を巻き込んだガバナンス体制。
人的対策
全社員向けの継続的セキュリティ教育(模擬攻撃演習を含む)。
権限管理の最小化と職務分離の徹底。
内部通報制度や監査体制の強化。
リスクとROIのバランス
登壇者からは、「セキュリティはコストではなく投資」 という考え方が重要であると強調されました。
経営層が予算を承認するためには、セキュリティ対策の効果や投資回収(ROI)を可視化する必要があります。
例えば、重大インシデント発生時の損失予測額と、予防のための投資額を比較することで、意思決定がしやすくなります。
総括
情報セキュリティは、DXの進展と比例してリスクも増大する領域です。
CIO Japan Summitでは、「技術」「組織」「人」の全方位から防御力を高めること、そして経営課題としてセキュリティ戦略を位置づけることがCIOの重要な責務であるという共通認識が形成されました。
国内外の事例から見る「経営視点を持ったCIO」像
CIO Japan Summit 2025では、CIOの役割はもはや「IT部門の統括者」にとどまらず、企業全体の経営変革を牽引する戦略リーダー であるべきだという認識が共有されました。国内外の事例を照らし合わせると、経営視点を持ったCIOには次の特徴が求められます。
1. 経営戦略とデジタル戦略の統合
国内事例(CIO Japan Summit) 荏原製作所や竹中工務店などの登壇者は、デジタル施策を単なる業務効率化にとどめず、新規事業やサービスモデル創出に直結させる 重要性を強調しました。 例として、製造現場のIoT活用を通じて、製品販売後のメンテナンス契約やデータ提供サービスといった収益源を新たに確立した事例が紹介されました。
海外事例(米国大手小売業) 米TargetのCIOは、ECプラットフォームの拡充と店舗体験の融合を経営戦略の中心に据え、デジタル化を通じて客単価と顧客ロイヤルティを向上。CIOはCEO直下の執行役員として、戦略策定会議に常時参加しています。
2. DX推進とリスクマネジメントの両立
国内事例 NTT西日本や経済産業省の登壇者は、DXのスピードを落とさずにセキュリティを確保する ための体制構築を重視。ゼロトラストアーキテクチャの導入や、重要インフラ事業者としてのリスクシナリオ分析を経営層に共有する仕組みを整備しています。
海外事例(欧州製造業) SiemensのCIOは、グローバル拠点を対象にした統合セキュリティポリシーと監査プロセスを確立。DXプロジェクト開始前にリスクアセスメントを必須化し、経営層の承認を経て進行する体制を構築しています。
3. 部門・業界・国境を越えた連携力
国内事例 CIO LoungeやCeFILの議論では、異業種や行政との情報交換が自社だけでは得られない解決策や発想 を生み出すことが強調されました。特に地方自治体と製造業のCIOが防災DXで協力するケースなど、社会課題解決型のプロジェクトも増えています。
海外事例(米国テクノロジー企業) MicrosoftのCIOは、業界団体や規制当局と積極的に対話し、AI規制やプライバシー保護のルール形成にも関与。単なる社内のIT戦略立案者ではなく、業界全体の方向性に影響を与える存在 となっています。
4. 技術とビジネスの「バイリンガル」能力
国内事例 花王やアサヒグループジャパンのCIOは、マーケティング・サプライチェーン・営業など非IT部門とも共通言語で議論し、IT施策を経営数字に翻訳できる能力 が求められると述べています。
海外事例(米金融機関) JPMorgan ChaseのCIOは、AIやクラウドの技術的詳細を理解しつつ、投資判断やROIの説明を取締役会レベルで行います。技術者としての専門性と経営者としての視点を兼ね備えることで、投資家や株主を納得させる役割 を果たしています。
5. CIOの位置づけの変化
世界的に見ると、CIOの地位は年々経営の中枢に近づいています。
Gartnerの調査 では、2023年時点でグローバル企業の63%がCIOをCEO直下に置き、経営戦略決定への関与度が増加しています。
CIOは「運用の責任者」から「価値創造の責任者」へとシフトしつつあり、AI、データ、セキュリティを核とした経営パートナー としての役割が定着し始めています。
総括
経営視点を持ったCIOとは、単にIT部門を率いるだけでなく、
経営戦略に直結したデジタル施策を描く能力
DX推進とリスク管理のバランス感覚
組織の枠を越えた連携力
技術と経営の両言語を操る力
を兼ね備えた存在です。
CIO Japan Summitは、こうした新しいCIO像を国内外の事例から学び、互いに磨き合う場として機能しています。
まとめ
CIO Japan Summit 2025は、単なる技術カンファレンスではなく、経営とテクノロジーをつなぐ戦略的対話の場 であることが改めて示されました。
製造業・建設業・流通業・化学業界・小売業といった幅広い分野のCIOやITリーダーが一堂に会し、DX推進、情報セキュリティ、そして人材マネジメントといった、企業の競争力と持続的成長に直結するテーマを議論しました。
議論の中で浮き彫りになったのは、DXの推進とセキュリティ確保、そして人材戦略は切り離せないという点です。
DXはリアルタイム性とデータ活用を武器に業務や顧客体験を変革しますが、その裏では複雑化するサイバーリスクへの備えが必須です。さらに、その変革を実行するには、多様な人材を活かす組織文化や部門横断的な連携が欠かせません。
また、国内外の事例を比較することで、これからのCIO像も鮮明になりました。
経営戦略とデジタル戦略を統合し、DX推進とリスク管理のバランスをとり、業界や国境を越えて連携しながら、技術とビジネスの両言語を操る「経営視点を持ったCIO」が求められています。
こうしたCIOは、もはやIT部門の管理者にとどまらず、企業全体の変革を主導する経営パートナーとして機能します。
本サミットを通じて得られた知見は、参加者だけでなく、今後DXやセキュリティ、人材戦略に取り組むすべての組織にとって有益な指針となるでしょう。
変化のスピードが加速し、予測困難な時代において、CIOの意思決定とリーダーシップは企業の成否を左右する ──その事実を強く印象付けたのが、今年のCIO Japan Summit 2025でした。
参考文献