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Windows 10 ESUをめぐる混乱 ― EUでは「無条件無料」、他地域は条件付き・有料のまま
2025年9月、Microsoftは世界中のWindows 10ユーザーに大きな影響を与える方針転換を発表しました。 Windows 10は2025年10月14日でサポート終了を迎える予定であり、これは依然として世界で数億台が稼働しているOSです。サポートが終了すれば、セキュリティ... -
デジタル教科書のQRコード先コンテンツを検定対象に ― 中教審素案が示す方向性
近年、学校教育においてデジタル技術の導入が急速に進んでいます。特に、紙の教科書に付されたQRコードを通じて動画や音声、補足資料などにアクセスできる「デジタル教材」の活用は、授業現場で一般的なものとなりつつあります。これにより、教科書の紙面... -
紅海の海底ケーブル切断と世界的インターネット遅延 ― 事故か攻撃か
2025年9月6日、紅海で複数の海底ケーブルが同時に損傷し、アジア・中東・欧州を結ぶ国際通信網に大規模な遅延が発生しました。Microsoft Azure など大手クラウド事業者は迂回経路を確保することで通信を維持しましたが、依然としてレイテンシの増大が報告... -
日本政府が進めるAI利活用基本計画 ― 社会変革と国際競争力への挑戦
2025年6月、日本では「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(いわゆるAI新法)」が成立しました。この法律は、AIを社会全体で適切かつ効果的に活用していくための基本的な枠組みを定めたものであり、政府に対して「AI利活用の基本計画」... -
豊明市「スマホ条例」可決 ― 条例文から読み解く狙いと解釈
2025年9月22日、愛知県豊明市議会で「スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例」、いわゆる「スマホ条例」が賛成多数で可決されました。施行は同年10月1日からとされ、市民生活に直接かかわる条例として全国的にも注目を集めています。 背景には、子... -
AIを悪用したゼロデイ攻撃とAI-DRによる防御の最前線
ここ数年、サイバー攻撃の様相は大きく変化しています。その背景にあるのが AIの悪用 です。これまで攻撃者が手作業で時間をかけて行っていた脆弱性探索や攻撃コード生成、標的の選定といった作業は、AIの登場によって一気に効率化されました。とりわけ、... -
Jaguar Land Rover、サイバー攻撃で1か月超の生産停止 ― サプライチェーンに波及する影響
2025年9月、イギリスを代表する自動車メーカー Jaguar Land Rover(JLR) が大規模なサイバー攻撃を受け、複数の工場で生産を停止しました。この出来事は単なる一企業の障害ではなく、英国経済や欧州自動車市場にとっても大きな意味を持ちます。1日あたり... -
英米協定が示すAIインフラの未来と英国の電力・水課題
2025年9月、世界の注目を集めるなか、ドナルド・トランプ米大統領が英国を国賓訪問しました。その訪問に合わせて、両国はAI、半導体、量子コンピューティング、通信技術といった先端分野における協力協定を締結する見通しであると報じられています。協定の... -
浮体式洋上風力 ― 日本が進める試験センター設立計画の現状と展望
再生可能エネルギーの導入は、日本にとってエネルギー安全保障と脱炭素社会の実現を両立させるための最重要課題の一つです。原子力や火力に依存してきた日本の電力供給構造を変革するには、風力や太陽光といった再生可能エネルギーの比率を大幅に高める必... -
robots.txtの限界と次の一歩 ― IETFが描くAI時代のウェブルール
生成AIの普及は、インターネット上の情報の扱われ方を根本から変えつつあります。従来、ウェブ上のコンテンツは主に検索エンジンによって収集され、ユーザーが検索結果をクリックすることで発信元サイトにアクセスし、広告収入や購読といった形で運営者に... -
データセンター誘致と地域経済 ― 光と影をどう捉えるか
世界各地でデータセンターの誘致競争が激化しています。クラウドサービスや生成AIの普及によって膨大な計算資源が必要とされるようになり、その基盤を支えるデータセンターは「21世紀の社会インフラ」と呼ばれるまでになりました。各国政府や自治体は、デ... -
AIとサイバー攻撃 ― 道具は道具でしかないという現実
AIの進化は、日々の暮らしから産業、そして国家の安全保障に至るまで、あらゆる領域に影響を及ぼしています。生成AIの登場によって、これまで専門家にしか扱えなかった作業が一般の人々にも手の届くものとなり、効率や創造性は飛躍的に向上しました。しか...