質的変数と量的変数

質的変数と量的変数

統計学で扱うデータ(変数)は、質的変数と量的変数に分類できます。

目次

質的変数(qualitative variable)

質的変数とは、データをいくつかに分類したもの(それぞれをカテゴリといいます)の中から1つのカテゴリを取るような変数です。質的変数の具体例には、性別(男、女)、血液型(A型、B型、AB型、O型)、学校の成績(A、B、C、D、E、F)、病気の進行段階(ステージ0、ステージⅠ、ステージⅡ、ステージⅢ、ステージⅣ)などがあります。
質的変数は、名義尺度と順序尺度に分けることができます。

名義尺度(nominal scale)

質的変数のうち、カテゴリ間に順序性がないものを名義尺度といいます。名義尺度の具体例には性別、血液型などがあります。

順序尺度(ordinal scale)

質的変数のうち、カテゴリ間に順序性があるものを順序尺度といいます。名義尺度に加え、順序にも意味がある尺度ともいうことができます。順序尺度の具体例には学校の成績や病気の進行段階などがあります。

量的変数(quantitative variable)

量的変数とは、数値で与えられる変数です。量的変数の具体例には、摂氏温度、身長、体重、世帯人数、西暦などがあります。

間隔尺度(interval scale)

量的変数のうち、各値の間隔に意味があるものを間隔尺度といいます。順序尺度に加え、値の間隔にも意味がある尺度ともいうことができます。間隔尺度の具体例には摂氏温度、世帯人数、西暦などがあります。

比例尺度(ratio scale)

量的変数のうち、ある値が他の値と比較して何倍あるかに意味があるものを比較尺度といいます。間隔尺度に加えて、比にも意味がある尺度ということができます。比例尺度の具体例には身長や体重などがあります。

どちらに分類されるかは変わることがある

ある変数が質的変数か量的変数かということについては、ある程度の傾向はあるものの、絶対にこちらだということはありません。

例えば、日付はある日を表すラベルと見なせば質的変数(順序尺度)として扱うこともできますが、日付の差に着目する場合は量的変数(間隔尺度)として扱うこともあります。テストの点数でも、0点から100点までの量的変数(比例尺度)として捉えることもできますが、0点〜10点、11点〜20点・・・のように度数で扱うなら質的変数(順序尺度)として捉えることもできます。

このように、どのように収集するのか、どう集計するのか、どのように扱うのか、どこに注目するのか、などによって同じ変数であっても分類が変わることがあることに注意が必要です。過去に質的変数で扱っていたとしても、今回はどのように扱うかきちんと精査することが大切です。

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