【Java】List.of()にnullを渡すとどうなる?安全なリストの構築方法

Java 9から追加されたList.of()は、簡潔に不変リスト(immutable list)を作成できる便利なAPIです。しかし、使い方を間違えるとNullPointerExceptionを引き起こす落とし穴があります

本記事では、List.of()nullを渡した場合の挙動と、安全にリストを構築する方法について解説します。

List.of()にnullを渡すとどうなるか

以下のようにnullを含む値をList.of()に渡すと、実行時に例外が発生します。

String a = "hello";
String b = null;

List<String> list = List.of(a, b); // ← ここで例外が発生

実行結果:

Exception in thread "main" java.lang.NullPointerException
    at java.base/java.util.ImmutableCollections.listFromTrustedArray(...)

List.of()は「null非許容」です。これは公式ドキュメントにも明記されています。

List (Java SE 9 & JDK 9 )から引用

安全な方法1:Stream.of() + filter(Object::nonNull)

nullを除外してリストを構築したい場合は、Stream APIを使って次のように書けます:

import java.util.List;
import java.util.Objects;
import java.util.stream.Collectors;
import java.util.stream.Stream;

String a = "hello";
String b = null;

List<String> list = Stream.of(a, b)
    .filter(Objects::nonNull)
    .collect(Collectors.toList()); // → ["hello"]

この方法ではnullを安全に取り除いたリストを作成できます。List.of()と異なり変更可能なリストになりますが、多くの場合は問題ありません。

安全な方法2:手動でnullチェックして追加

もっと素朴な方法として、以下のようにif文で追加するのも実用的です:

import java.util.ArrayList;
import java.util.List;

String a = "hello";
String b = null;

List<String> list = new ArrayList<>();
if (a != null) list.add(a);
if (b != null) list.add(b); // → ["hello"]

処理の過程でnullを記録・無視・ログ出力したい場合など、柔軟性があります。

nullを含める必要がある場合は?

どうしてもnullを含む必要がある場合は、List.of()を使うのではなく、通常のArrayListArrays.asList()を使いましょう。

List<String> list = Arrays.asList("hello", null); // OK

ただし、Arrays.asList()は固定サイズリストを返すため、要素の追加・削除はできない点に注意してください。

✅ まとめ

方法null許容リスト型備考
List.of(a, b)不変リストnullを含むと例外
Stream.of(a, b).filter(…).collect()可変リストnullを除外して簡潔に書ける
手動で if != null で追加可変リスト柔軟な制御が可能
Arrays.asList(…)固定サイズ要素の追加削除不可

Javaでnullを扱う場面はまだ多くあります。List.of()は便利ですが、nullは許容されない」という仕様を正しく理解した上で使い分けることが大切です

Spring FrameworkにおけるDIのベストプラクティス: コンストラクタインジェクションの優位性

Spring Frameworkでの依存性注入には、

  • フィールドインジェクション
  • コンストラクタインジェクション
  • セッターインジェクション

の3つの方法があります。これらの方法は、オブジェクトが他のオブジェクトに依存している場合に、その依存オブジェクトを自動的に挿入するために使用されます。この中で主に使われるのはフィールドインジェクションとコンストラクタインジェクションです。

Springのコミュニティでは、フィールドインジェクションよりもコンストラクタインジェクションの方が推奨されています。なぜコンストラクタインジェクションが推奨されているのかをフィールドインジェクションのデメリットとコンストラクタインジェクションのメリットの観点から見ていきましょう。

フィールドインジェクション

フィールドインジェクションは、クラスのフィールドに直接依存性を注入する方法です。これは@Autowiredアノテーションをフィールドに適用することで行われます。例えば、

@Component
public class MyService {
    @Autowired
    private DependencyClass dependency;
}

のように書きます。

コンストラクタインジェクション

コンストラクタインジェクションは、オブジェクトのコンストラクタを通じて依存性を注入する方法です。コンストラクタに@Autowiredアノテーションを付けることで、Springが自動的に依存オブジェクトを挿入します。例えば、

@Component
public class MyService {
    private final DependencyClass dependency;

    @Autowired
    public MyService(DependencyClass dependency) {
        this.dependency = dependency;
    }
}

のように書きます。

コンストラクタインジェクションが推奨される理由

Spring Framework でコンストラクタインジェクションが推奨される理由のうち、特に理由としてふさわしいと思ったものには以下が2つがあります。

依存コンポーネントの不変性を宣言できる

前述のコード例を見てもらうとわかりますが、フィールドインジェクションではオブジェクト生成時点でフィールドの値が初期化されないため、final宣言をつけることができません。一方、コンストラクタインジェクションではオブジェクト生成時点でフィールドの値が初期化されるため、final宣言をつけることができます。

これにより依存コンポーネントがイミュータブル(不変)であることを明示することができるようになります。

実際にイミュータブルであることで誤って再初期化してしまうことを防ぐことはほとんどないと思いますが、実際に変更してしまうかどうかは別として、変更するつもりがないという設計意図をコードに表現できることが重要だと考えています。

循環依存を回避できる

コンストラクタインジェクションを使用するとコンストラクタの呼び出し時点でインジェクションされてイミュータブルになります。このとき循環依存があると、アプリケーションの起動時にエラーが発生して循環依存を検知することができます。

一方、フィールドインジェクションの場合は実際に対象のフィールドが呼び出されるまで検知できないため、循環依存の発見が遅れたり、発見自体が困難になる場合があります。

単一責任の原則に従っていないことに気づきやすくなるのか

単一責任の原則に従っていないことに気づきやすくなるというメリットを挙げているのを見かけますが、個人的にはそれほど効果がないのではないかと思っています。

まったくないとは言いませんが、Lombokを使用していると、ほぼフィールドインジェクションのような使い心地でコンストラクタインジェクションを使えてしまうので、レビューで検出する方が確実だと思います。例えば、

@Component
@RequiredArgsConstructor
public class MyService {
    private final DependencyClass dependency;
}

のように@RequiredArgsConstructorアノテーションを使用することで、コンストラクタを省略することが可能です。これ自体はボイラープレートコードを書かなくて済むというメリットがありますが、コンストラクタ自体を書かないため、依存コンポーネントが多すぎることに気づきにくいと思います。

コンストラクタインジェクションに頼るのではなく、きちんとレビュー前のセルフチェックやレビューで依存関係の複雑さや単一責任の原則に従っているのかなどをチェックすることが重要だと考えています。

単体テストコードを書きやすくなるのか

元々はコンストラクタインジェクションの方が書きやすかったと思うのですが、現在ではほとんど変わらないと思いました。

フィールドインジェクションを使ったコンポーネントの例

フィールドインジェクションを使ったコンポーネントのテストを書く例として、次のようなサービスクラスに対するテストケースを考えてみましょう。

package com.example.demo;

import org.springframework.beans.factory.annotation.Autowired;
import org.springframework.stereotype.Service;

@Service
public class SampleService {

    @Autowired
    private DummyComponent dummyComponent;

    public String doSomething() {
        return dummyComponent.doSomething();
    }
}

このサービスクラスに対するテストは以下のようになります。

package com.example.demo;

import org.junit.jupiter.api.Test;
import org.junit.jupiter.api.extension.ExtendWith;
import org.mockito.InjectMocks;
import org.mockito.Mock;
import org.mockito.junit.jupiter.MockitoExtension;

import static org.junit.jupiter.api.Assertions.assertEquals;
import static org.mockito.Mockito.when;

@ExtendWith(MockitoExtension.class)
class SampleServiceTest {

    @InjectMocks
    private SampleService sampleService;

    @Mock
    private DummyComponent dummyComponent;

    @Test
    public void testDoSomething() {
        when(dummyComponent.doSomething()).thenReturn("test");

        assertEquals("test", sampleService.doSomething());
    }
}

コンストラクションインジェクションを使ったコンポーネントの例

コンストラクタインジェクションを使ったコンポーネントの例も見てみましょう。同じサービスクラスをコンストラクタインジェクションで書き換えた場合、以下のようになります。

package com.example.demo;

import org.springframework.beans.factory.annotation.Autowired;
import org.springframework.stereotype.Service;

@Service
public class SampleService {

    private final DummyComponent dummyComponent;

    @Autowired
    public SampleService(DummyComponent dummyComponent) {
        this.dummyComponent = dummyComponent;
    }

    public String doSomething() {
        return dummyComponent.doSomething();
    }
}

このサービスクラスに対するテストは以下のようになります。

package com.example.demo;

import org.junit.jupiter.api.Test;
import org.junit.jupiter.api.extension.ExtendWith;
import org.mockito.InjectMocks;
import org.mockito.Mock;
import org.mockito.junit.jupiter.MockitoExtension;

import static org.junit.jupiter.api.Assertions.assertEquals;
import static org.mockito.Mockito.when;

@ExtendWith(MockitoExtension.class)
class SampleServiceTest {

    @InjectMocks
    private SampleService sampleService;

    @Mock
    private DummyComponent dummyComponent;

    @Test
    public void testDoSomething() {
        when(dummyComponent.doSomething()).thenReturn("test");

        assertEquals("test", sampleService.doSomething());
    }
}

見ての通り同じテストケースクラスでテストできます。

現状ではテストのしやすさという点ではその差はほぼないと考えて差し支えないと思います。

まとめ

依存コンポーネントに対して不変性を明示でき、循環依存を回避できるようになる点を考慮すると、コンストラクタインジェクションを積極的に使用していくことは重要だと思います。

一方で、単一責任の原則に従っているかどうか、依存関係の多いファットなコンポーネントになっていないかどうかについては、ペアプログラミング時に議論したり、セルフチェックやレビューによってチェックすることが重要だと思います。

[Spring Boot]IntelliJ IDEAでLombokを使っていてエラーになる場合の対処方法

以下の記事に解決方法が載っていました。

https://stackoverflow.com/questions/72583645/compile-error-with-lombok-in-intellij-only-when-running-build

遭遇した事象

Spring Initializrからダウンロードした時点でLombokは依存関係に追加されています。

plugins {
	id 'java'
	id 'org.springframework.boot' version '3.0.4'
	id 'io.spring.dependency-management' version '1.1.0'
}

group = 'com.t0k0sh1'
version = '0.0.1-SNAPSHOT'
sourceCompatibility = '17'

repositories {
	mavenCentral()
}

dependencies {
	implementation 'org.springframework.boot:spring-boot-starter-web'
	implementation 'org.projectlombok:lombok:1.18.22'
	testImplementation 'org.springframework.boot:spring-boot-starter-test'
}

tasks.named('test') {
	useJUnitPlatform()
}

IntelliJ IDEAでLombokを使用可能にするためには、設定のビルド、実行、デプロイ>コンパイラー>アノテーションプロセッサーで、「アノテーション処理を有効にする」にチェックをつけ、「プロジェクトクラスパスからプロセッサーを取得する」にチェックがついている状態にします。

ここまでがよく知られているLombokの導入方法になります。

lombok.Dataアノテーションを定義したクラスを作成し、

package com.t0k0sh1.tutorial.entity;

import lombok.Data;

@Data
public class User {
    private Long id;
    private String name;
    private String email;
    private String password;
}

自動生成されているであろうgetterを使ってみます。

package com.t0k0sh1.tutorial.controller;

import com.t0k0sh1.tutorial.entity.User;
import org.springframework.web.bind.annotation.*;

import java.util.ArrayList;
import java.util.List;

@RestController
public class UserController {
    private final List<User> users = new ArrayList<>();

    @GetMapping("/users/{id}")
    public User getUser(@PathVariable Long id) {
        return users.stream().filter(a -> a.getId().equals(id)).findFirst().orElse(null);
    }

}

すると、getterが見つからずにコンパイルエラーとなります。

/Users/t0k0sh1/Workspace/tutorial/src/main/java/com/t0k0sh1/tutorial/controller/UserController.java:15: エラー: シンボルを見つけられません
        return users.stream().filter(a -> a.getId().equals(id)).findFirst().orElse(null);
                                           ^
  シンボル:   メソッド getId()
  場所: タイプUserの変数 a

対処方法

build.gradleを以下のように書き換えることで問題を解消することができます。

plugins {
	id 'java'
	id 'org.springframework.boot' version '3.0.4'
	id 'io.spring.dependency-management' version '1.1.0'
}

group = 'com.t0k0sh1'
version = '0.0.1-SNAPSHOT'
sourceCompatibility = '17'

repositories {
	mavenCentral()
}

dependencies {
	implementation 'org.springframework.boot:spring-boot-starter-web'
	implementation 'org.projectlombok:lombok:1.18.22'
	implementation 'org.modelmapper:modelmapper:3.1.1'
	testImplementation 'org.springframework.boot:spring-boot-starter-test'

	// 以下の1行を追加する
	annotationProcessor 'org.projectlombok:lombok:1.18.22'
}

tasks.named('test') {
	useJUnitPlatform()
}

追加でannotationProcessor 'org.projectlombok:lombok:1.18.22'を追記します。(バージョン部分は元の記述に合わせてください)

Gradleプロジェクトの再ロード(右端のGradleタブを開いて更新ボタンをクリックする)し、プロジェクトのビルドを行なってください。

すると、先ほどまでエラーとなっていましたが、今度はビルドに成功します。

[Spring Boot]プロジェクトを作成する(Spring Initializr)

Spring Bootのプロジェクトの作成方法はいくつかありますが、本記事ではSpring Initializrを使って作成します。

Projectを選択する

執筆時点では「Gradle – Groovy」「Gradle – Kotolin」「Maven」から選択できます。使いたいものを選択してください。

ここでは「Gradle – Groovy」を選択しています。

Languageを選択する

執筆時点では「Java」「Kotolin」「Groovy」から選択できます。使いたいものを選択してください。

ここでは「Java」を選択しています。

Spring Bootのバージョンを選択する

Spring Bootのバージョンを選択してください。

ここでは「3.0.4」を選択しています。

Project Metadataを入力する

プロジェクトのメタデータを入力します。

内容はプロジェクトに合わせて設定してください。

Dependenciesを選択する

Dependenciesの選択は任意ですが、Webアプリケーションのプロジェクトを作成するので、Spring Webだけ追加しておきます。すでに使用するものが決まっている場合はそれも追加しておいてください。

プロジェクトをダウンロードする

GENERATEボタンをクリックしてプロジェクトをダウンロードしてください。

プロジェクトを展開・配置してIDEで開く

ではダウンロードしたプロジェクトを展開・配置して、IDEで開いてみましょう。ここではIntelliJ IDEA Ultimateを使用しています。

まずはダウンロードしたZIPファイルを展開し任意のフォルダに配置します。

$ unzip ~/Downloads/tutorial.zip -d ~/Workspace/

次にIDEでプロジェクトを開きます。

動作確認のためにアプリケーションを実行してみましょう。

アプリケーションが起動したらhttp://localhost:8080/にアクセスします。

Spring BootではMainメソッド持ったクラス以外何もないため、表示するページがなく、エラー画面が表示されますが、この画面が表示しているのであれば問題ありません。

[Java]ラムダ式を使ってコレクションを操作する(Java Lambda)

Java 8から導入されたラムダ式を使ってコレクションを操作する方法について解説します。ここでは、実用的なものに的を絞って解説しています。

前提(説明時に使用しているDTO)

説明で使用しているDTOを提示しておきます。ここではUserDtoクラスを使用しています。

import java.io.Serializable;

public class UserDto implements Serializable {
    private String userId;
    private String userName;
    private int age;

    // Setter, Getterは省略

    public String toString() {
        return "userId=" + userId + ",userName=" + userName + ",age=" + age;
    }

}

ListをMapに変換する

ListをMapに変換する方法について解説します。

以下の例では、UserDtoクラスを要素に持つListをMapに変換しています。MapのキーはUserDtoのuserId、値はUserDtoにしています。

import java.util.ArrayList;
import java.util.List;
import java.util.Map;
import java.util.stream.Collectors;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        // UserDtoを要素として持つListを用意する
        List<UserDto> list = new ArrayList<>();
        UserDto user1 = new UserDto();
        user1.setUserId("001");
        user1.setUserName("John Smith");
        user1.setAge(20);
        list.add(user1);
        UserDto user2 = new UserDto();
        user2.setUserId("002");
        user2.setUserName("Maria Cambell");
        user2.setAge(28);
        list.add(user2);
        
        // ListをMapに変換する(キーはUserDTOのUserIdを使用する)
        Map<String, UserDto> map = list.stream().collect(Collectors.toMap(s -> s.getUserId(), s -> s));

        // Listの出力結果を確認する
        System.out.println(list);
        // [userId=001,userName=John Smith,age=20,userId=002, userName=Maria Cambell,age=28]
        
        // 変換後のMapの出力結果を確認する
        System.out.println(map);
        // {001=userId=001,userName=John Smith,age=20, 002=userId=002,userName=Maria Cambell,age=28}
    }
}

Listから一部の項目を抽出する

Listから一部の項目を抽出する方法について解説します。

import java.util.ArrayList;
import java.util.List;
import java.util.stream.Collectors;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        // UserDtoを要素として持つListを用意する
        List<UserDto> list = new ArrayList<>();
        UserDto user1 = new UserDto();
        user1.setUserId("001");
        user1.setUserName("John Smith");
        user1.setAge(20);
        list.add(user1);
        UserDto user2 = new UserDto();
        user2.setUserId("002");
        user2.setUserName("Maria Cambell");
        user2.setAge(28);
        list.add(user2);

        // Listから項目の一部(ここではUserDtoのuserIdを抽出)し、リストにする
        List<String> userIds = list.stream().map(s -> s.getUserId()).collect(Collectors.toList());
  
        
        // 抽出前のListの内容を確認する
        System.out.println(list);
        // [userId=001,userName=John Smith,age=20, userId=002,userName=Maria Cambell,age=28]
        // 抽出した項目を確認する
        System.out.println(userIds);
        // [001, 002]
    }
}
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